「好循環」が生まれ、人間関係の土台が築かれる
ところで、ラビング・プレゼンスは、基本的には自分自身のための行為なのですが、その必然的な「効能」として、 その相手との関係にも良い影響を与えることになります。 それは、次のような理由によります。 スピリチュアル・ナリッシュメントを味わい、自らの心や魂が鼓舞される時には、それを感じるきっかけとなってくれた相手に対する感謝、尊重、共感、忍耐、そして愛に満ちたいたわりなどの気持ちが、ごく自然にわき上がってきます。 目に見えない「贈り物」として得られたスピリチュアル・ナリッシュメントが、相手の人への継続的な受容、共感、理解へと、とても自然な形で転換していくのです。 この意識状態こそが、ラビング・プレゼンスだとも言えます。 すると次に、ラビング・プレゼンスの状態にあるあなた自身の中からにじみ出てくる共感といたわりに満ちたエネルギーを、相手の人もやはり自然に感じ始めます。 自分に対する暖かさに満ちたあなたの存在を感じるとき、その人は無意識のうちに深い安心感を感じ始め、その心は徐々により開かれていきます。 すると、その人の存在から放たれる普遍的価値の輝きはさらに増し、あなたが感じ取るスピリチュアル・ナリッシュメントの輝きも増していきます。 あなたは、さらに深いエネルギーや新しいインスピレーションを得て、さらに多くの心の糧を得るわけです。 すると、それがさらに暖かないたわりと尊重のエネルギーとして相手へと伝わっていきます。 このようにして、両者の間に相互強化のサイクルが生み出されます。 そこでは、それぞれの心や魂が相手の存在によって鼓舞され、慈愛に満ちた存在と信頼関係が創造されていくのです。 人とコミュニケーションを図っていく際に、こうした考え方を実践することによって、 あなたの周りの人間関係はより深く、実り多いものになっていきます。 「存在のレベルで相手を感じ、存在のレベルで自分自身を満たす」という このラビング・プレゼンスの感覚は、本来誰もが潜在的には備えているものです。 必要なのは、理性中心の現代社会の中で錆びついてしまった、このような感覚を呼び覚ますことに過ぎません。 そして、その目覚めは、日々の生活の中でも常に自分の心を深く満たし、 かつ人とのより豊かな関係性を築いていくための大きな礎ともなってくれることでしょう。 さらに、より大きな意味では、さまざまな対立を超えて、 相互信頼に基づいた世界を実現するための創造的対話を促進する基盤ともなりうる可能性を秘めています。 一人ひとりが、ラビング・プレゼンスを実践し、他者の存在を介しつつ自分自身に喜びを与えていくこと。 それが周りの人たちとの間に「良き循環」を生み出し、その輪が広がっていくことによって、 お互いがお互いの存在を受け止め、祝福しながら係わりをもっていけるような社会の土台が築かれていく…。 ラビング・プレゼンスとは、そうした大きな可能性すら秘めた、考え方と実践方法でもあるのです。 |
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