interview-head
  • ENTRY
  • none
  • none
  • none
  • none
title04
Ryojiさん(徳田良治さん)とは、LP養成コースでご一緒した。
とりあえず、はじめてしまおう!と勢いでスタートした第一期だったが、メンバー同士の真剣な熟議あって、数々の新しい指針が生み出される結果となった。
そして、Ryojiさんの常なる率直な問題提起と、納得するまで疑問に挑む姿勢に触発されなかったら、ここまでの洞察は得られなかったと言っても過言ではない。
今回は、インタビューの前に、3ヶ月間共に学んだ経緯があるため、そこでのプロセス
あっての会話になり、多少専門的な内容になってしまったかもしれない。
しかし、ラビングプレゼンスのより深い理解や人への伝え方について、貴重な話として是非ここでシェアしておきたいと思う。

Part 1 Part 2 Part 3


Part 1:「そこに在ること」の深遠  ― ロジャーズの "presence" から
yu すごく頭の中が整理整頓されている方だな、って感じがするんですけど。
   
Ryoji いや、そうしとかないと、頭の中に入らない、残らないって言えるかもしれないです。そういう吸収の仕方は、クセなんだなーっていうのは、わかったんですけど。
   
yu ものを捉えるっていうことで、自分でやってることとか、何かそういう枠組みみたいなことってあるんですか?
   
Ryoji

コーチ仲間でニュー・イクエージョンズ(New Equations)っていうのをやってる方がいて、そこで判定されたタイプによると、何か大きな地図を私は始終描いてるらしい、っていう風に説明を受けました。
これは今、私が持っている知識の中で、どういうことなんだろう?っていうのを、すごくやりたがる人みたいなんですよね。
でも自分では、言われれば確かにそういうことやってるな、って感じなんですけど、何かがあって、というわけではなくて、そうせずには居られない、って感じなんです。

Ryoji☆
徳田良治


とくだりょうじ
出版業界に勤める会社員
コーチ(CPCC)
プロセス・ファシリテーション・プロジェクト 1期生&2期生/ ワークショップ・デザイナー養成講座2期@青山学院大学/ フォーカシング(インタラクティヴ・フォーカシング)(日精研)/ 感情モニタリング(木下先生)/ ハコミ・セラピー(レベル1)/ ファシリテーション(Be Nature 5期生)/ ソリューション・フォーカス・アプローチ J-sol3に参加。

インタビュアー:鳥居優子
サイコセラピスト /臨床心理士/ハコミセラピー トレーニングコース5期生。
心理相談室「ユースフィア」主宰。

yu じゃあ、何か新しいものを吸収したら、自分のデータベースの中で、これはどこに入って、どういう風にヒモ付けられる、みたいなのが無いと気持ち悪い、っていうタイプ?
   
Ryoji そうそう! だからそれがわかるまでは、すごいしつこいというか、わかんない、みたいな感じですよね。
   
yu ラビプレは、どういう風に位置づけられたんですか?
   
Ryoji ハコミでラビプレのデモを見て、なんかすごいなーっていうのは、今でも印象に残っているんですよ。
セラピスト役の人がラビングプレゼンスの状態になることによって、その時ホントにその人が輝いているみたいな感じの印象があったんです。

それまでは、疲れた(笑)、普通のおじさん、っていう感じだったのが、ラビプレをやりますよって言ってやりはじめた途端に、なんかそこに別人がいるみたいな感じが。。。
そしてクライアント役の方が、たぶんマインドフルネスにすーっと入っていって、みたいなことが起きたんだと思います。

私はコーチングをやっていて、どうやったらコーチングが機能するか、というところに興味があって、自分の経験としては、うまく行く時と行かないときがあるなーというのがありました。
仲間でコーチングの合宿をした時に、仲間が見せてくれたすごかったコーチングは、本当にコーチングの神様が降りて来てるみたいな感じになって、コーチ役の人がしゃべってるとか聞いているとかするんだけど、それはクライアントの人がまさに今そういう存在が欲しい、っていうのを呼び寄せたような感じのことが、起きてくるっていうのがあったんです。

できればね、いつもハイパフォーマンスでそういうのができれば嬉しいんですけど、でも出来る時と出来ない時がある。何でなんだろうな?っていうのがあって。
それが通常コーチングで言われている、いろんなスキルとか自己管理とか、そういうのじゃないところの何かなんじゃないかな、っていう気がして。

ラビプレは、そういうことの、すごく助けになるだろうなって気はするんです。
   
yu コーチングをする上で、いろんな手法はもちろんあるんでしょうけど、コーチ側の姿勢や在り方みたいなものも、やっぱりいろいろあるわけですよね。
そのへんって、どうなんでしょうか?
   
Ryoji 自分的には、そのへんがロジャースの自己一致と似てるなって感じがあるんですけど。
その人自身がしゃべってるとか、その人の言葉だな、って思えるかどうかが、関係においては、決定的な違いを呼ぶっていうのがあって。

ただ、この手の話をコーチ同士でやったことないし、コーチングのコースとかで教わった記憶もないんですよね。
でも、一緒に練習をしたりしていて、すごいことをやってるな〜って思うコーチ仲間を見てると、それを起こしているっていう印象があって、それに対していつも何だろう?っていう問いがいつもあるっていう感じですね。

ゆぅ(yu)さんがML(養成コースのメーリングリスト)にロジャースの話(注1)を載せてくれたんですけど、もう1つロジャースが、それっぽいことを言っているところがあって。。。
   
と言ってRyojiさんは、下記の文章を紹介してくれた。
「私は、自分がグループのファシリテーターやセラピストとしてベストの状態にある時、 そこに、これまで論じてきたのとは別の、もう1つの特質があることを発見しました。私が自らのうちなる直感的な自己の最も近くにいる時、私が自らの未知なるものに触れてい る時、そして私が、クライエントとの関係において幾分か変性意識状態にある時、その時 私がするどんなことでも癒しに満ちているように思えるのです。
その時、ただ私がそこに いること(presence)がひとを解放し援助します。この経験を強めるために私ができるこ とは何もありません。けれど、私がリラックスして、私の超越的な核心に近づくことができる時、私は奇妙かつ衝動的な仕方で振る舞うことができるのです。合理的に正当化することのできない仕方、私の思考過程とはまったく関係のない仕方で。そしてこの奇妙な振 る舞いは、後になって正しかったのだとわかります。その時、私のうちなる魂が外に届き、他者のうちなる魂に触れたように思えるのです。私たちの関係はそれ自体を越えて、 より大きな何ものかの一部となります。深い成長と癒しとエネルギーとが、そこにあるの です」(Rogers,1986)
(伊東博・村山正治 訳「クライエント・センタード/パーソン・センタード・ア プローチ」『ロジャーズ選集(上)』pp.162-185 誠信書房 2001)

「この経験を強めるために私ができることは何もありません。」とロジャーズ自身も言っているように、これについての具体的な方法について触れられていないのだが、 ロン(Ron Klutz)が、ラビングプレゼンスが、その1つのエクササイズであると言っていることは、押さえておきたいポイントだ。
   
Ryoji ロジャーズがこういうことを言ってたよ、って紹介すると、そういう系の人(カウンセリングやロジャーズをよく知ってるひと)も、(愛を持って『共にいる』ことの)具体的なトレーニング法として、興味を持ってもらえるんじゃないかと思いました。

次ページ