ここで言っている「バウンダリー」というのは、人が自分自身の安全を守るために必要な、相手との間の境界のこと。
動物にも「なわばり」というものがあるように、人間にもその人が安全にいるための「なわばり」というものがあるわけですが、人間の場合、物理的、空間的など目に見えるもの以外にも、心理的なものや人権といった目に見えない部分で、その人を守るものがあります。
ラビング・プレゼンスは、もともとセラピストとクライアントという役割の明確な関係性を前提に考えられたもので、その場合、セラピストとクライアントの間には、当然のことながら健全なバウンダリーがあることを前提としています。
そのため、バウンダリーについてはあまり語られていないのですが、それを一般的な人間関係に広げた場合、日本は欧米と比べて人と人との関係性(特に家族や親しい間柄)においてバウンダリーが曖昧で、守られるべきテリトリーに侵入されたり侵入したりしていることが原因で、ストレスやトラブルが起こっていることが多々あります。
それでまずは、そこを健康的にする必要があるという話を、ここではしています。 |